考え中

まったく公共性のない備忘録

Still Alice

若年性アルツハイマーが発症した将来有望な大学教授をジュリアン・ムーアが演じている。『アリスのままで』の邦題でその意味が分からないけれど、英語タイトルは、自分が自分ではなくなる、自分であると自覚できないようになることを表そうとしたタイトルだと思う。

ジュリアン・ムーアは美しすぎるので、病気の醜さがよく分からない部分も多々あるものの、失う恐怖がつらそうなことは伝わった。家族も美しすぎるのだが、大変そうだ。

病気の進行は段階的で、思う以上に急速で、アリスは、ある症状が出たら自分で自分をコントロールできなくなるだろうと考えて、それを自分ではなくなる区切りみたいなものとして設定している。その時は服薬自殺しようと準備していたが、その準備虚しく病気に命を救われる。

私だったらうまく死にたいと思うので、服薬をしくじった瞬間は残念でならなかったが、映画の趣旨は、救われたということなんだろう。

 

『アイリス』を思い出した。伝記映画で、監督の奥さんであるアイリス・マードックの半生を描いている。ケイト・ウィンスレットが若き日のアイリス、ジュディ・デンチが年老いてからのアイリス、ジム・ブロードベントがそれを支える旦那だが、若き日を ヒュー・ボナヴィルが演じているという、今思うと豪華な映画だった。