考え中

まったく公共性のない備忘録

常滑散歩

先日は間違えて市之倉まで行った私が、今日はいろいろな手違いで常滑へ。せっかくなので、常滑散歩を楽しんだ。

 

そもそも、行く予定をしていなかったので、慌てて調べて陶磁器会館というところが散策路の出発地点ということだったので、そこへ行った。歩道の脇の崖に各種招き猫が連続で埋め込まれている。崖の谷間に車道がある。常滑に来たことがあるとしたら、それは30年以上前、海沿いに細長い半島の両端に夏の海を見ながら、なんて坂道が多いのかと、半島の中心を走る小高いところから眺めながら思った記憶がある。常滑沖に空港ができるなんて思ってもみない頃だ。

 

陶磁器会館の駐車場に観光バスが来ていたが会館の中はガランとしていた。

会館を出て道を渡ったところには急須のお店がある。しばらく自由に店内を見たあと、1人用の朱泥の急須を見繕って買った。土のことや技術のことや作家の手作りなのか量産品なのか、そのへんのことをよく調べてから行けばよかった。

 

そこから山の尾根に向かって細い坂道を登ると、煙突のある登り窯や、作陶工場の跡のような古い建物、アトリエ的な古家などが、民家に混じって建っている。なかなか趣のある風景といえる。

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散策路沿いには常滑焼の作家の店や、あれこれ集めた陶磁器の店などが散在していて、そういう店をのぞきながら山の斜面を上り下りする感じである。散策路の一番の見どころは、「土管坂」という映えスポットで、土管や壷が埋まった壁に挟まれた細道も朱泥の瓦の廃材を埋めて舗装してある。ところが、そこになかなかたどり着けない。

散策路は人の気配のない様子なのに、実はかなりの散策客が近くにいるらしく、散策していると坂の下からひょっこり老夫婦や子連れ家族が現れる。口々に「ああ、またここに出ちゃった」など言っている。

そうなのだ。単純に見えて実は見通しの悪い曲がりくねった坂道なのだ。もともと無い方向感覚がくるくるに狂わされて、同じところに何度も出てしまう。

そのくせ、「土管坂」には一度もたどり着けない。

やたらめったら歩いていると、だんごやさんが小窓を開けて1本どうかねと話しかけてきたり、作家が道を教えてくれたりする。

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途中でパン工房風舎というところで石窯焼きというパンを買って*1、さらに良い湯呑はないか探しながら歩いた。そうこうするうちに、谷道の車道で、出発地点の反対側に出てしまったので、また尾根に向かって登って、やっと土管坂を見つけた。

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薄着で出歩いてしまったので寒かった。あちこちの焼き物の窯の店舗は隙間風の入る木造で、石油ストーブの懐かしい匂いがしていた。

 

 

*1:ふかふかもちもち系のパンで、好き好きが分かれそう。フォカッチャやフランスパンまでふかふかなので、ハード系が好きな人には向かないかもしれない