考え中

まったく公共性のない備忘録

国宝「源氏物語絵巻」@徳川美術館

11/19~11/27の期間で特別公開中の国宝「源氏物語絵巻」を見てきた。

国宝公開とあって大混雑を予想していた。人のアタマの隙間から見るだけの小さな禿げた絵(失礼!)を見るのに、何時間も並ぶなんてなあと腰も重かった。実際、昨年度は多忙もあって行かなかったし。

しかし案ずるより行ってみるが易く、10時開館に対して朝の9時50分着で駐車場に車の待機列はなく、それどころかまだ3台ぐらいしか駐車されておらず、美術館の入り口に列ができているわけでもなく、開館時間に入館した人数は10数人程度で、拍子抜けだった。

源氏物語絵巻は、「やまと絵うるわし」という企画展の一環として展示されており、展示室としては中頃、まずは刀剣や茶室を見てからという位置にある。慌ててその部屋へ行って、最初の部屋は再入館という手で行こうということで、まずはチケット購入。私は某団体会員なので無料のはずだが、なぜか1200円を請求されて問答していたら出遅れてしまった。

というわけで、早めに行った意味がゼロとなったが、それよりも何よりも、先に展示室に入った人たちは、最初の展示室の「武家のシンボル」という展示をじっくり見てらっしゃって、私が急ぐ必要がゼロではあった。確かに、保存状態が異常にいい具足や、卵の殻に貫が入ったような名刀や、豪華な色合いの唐獅子牡丹の陣羽織(葵の御紋も凝っている)などは素晴らしいのだが。

そんな感じだったので、一人でゆっくり国宝を堪能した。12世紀に描かれた現存する最古の絵巻物で、屋根なし、引目鉤鼻、長い髪の毛をすべらかしている貴族女性と、歴史の教科書で穴が空くほど見つめたあの絵なのである。公開されているのは東屋(一)で、中の君が後ろ向きで髪を梳かせている向かいで絵巻の絵を眺める浮舟、その物語を読む女房などが描かれている。

蓬左文庫の方もやまと絵のくくりで展示替えしながら12月半ばまで特別展が続く。もう一回ぐらいゆっくり行きたい。