考え中

まったく公共性のない備忘録

ビリーブ 未来への大逆転

先ごろ亡くなられた最高裁判事ルース・ギンズバーグの伝記的物語。ロースクール初日から、はじめて理不尽な法律を覆すケースに勝訴するところまで、速いテンポで物語が駆け抜けるので、そんなにうまくは行かないだろうと思いながらも爽快さが残る。

アメリカの、建前としての平等と、実際の差別という建国以来の矛盾に立ち向かったその強さの基盤には、類まれな才能と配偶者の理解があったということだ。不本意な大学教員の仕事も、時代の流れをいち早く掴む環境としては適していたようだ。たくさんの後進を育て、最高裁判事としてアメリカを牽引した頼もしい女性と、その力量を偏見のない目で見通した夫マーティの、伝説のような美しい部分を映画化した作品といえるだろう。