考え中

まったく公共性のない備忘録

モンドリアン展

豊田市美術館で始まったモンドリン展。オランダのデン・ハーグ美術館から50点、その他を集めて20点、とのこと。

 

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展示の構成は、モンドリアンアートの成立期を順を追って理解できるように並んでいて秀逸。オランダ・ハーグ派時代の風景画に、ある種の幾何学的なデザイン様式や、色の操作が見えはじめる。印象派の影響もあり、色の組み合わせが実験的だったり、抽象化による細部の捨象が目立つようになる。

シュタイナーに傾倒すると、その表現に鑑賞者の知覚を組み込んだ表現が始まり、抽象化はキュビズムを経て、よく知られる直線に囲まれた三原色の平面へと完成していく。「コンポジション」である。

その後、ニューヨークでは音楽的なリズムを加味するようになるので、この展覧会で見られる作品が最も中立的で、厳格で、理想化されている時期のものかと思う。

 

家具や建築の造形まで広がる新造形主義の作品も同時に展示されている。

家や椅子は、人間が使うことを含意しているので、絵画作品のような隙のない印象にはならないけれど、垂直・水平の直線に囲まれた平面や、四角い切り口の平面には原色が施され、邪念のない爽快さのようなものはある。

 

展覧会「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」
会期:2021年7月10日(土)〜9月20日(月・祝)
会場:豊田市美術館

 

 ミュージアムショップでは、コンポジショングッズがどっさり。マスク入れを買ってみた。

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