考え中

まったく公共性のない備忘録

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年)

Michiel Huisman(ミキール・ハースマン)というオランダ出身の俳優さんが「ジュリエット」と発音する甘い響きがなかなか良かった。

主役のジュリエットは、設定では昔から島で暮らしていたかのように馴染んだことになっているが、この映画では浮いているようにしか見えない。それと、冒頭のアメリカ人求婚者の顔が地味で、ドーシーのほうが派手な顔をしているので、結末が予測できてしまう。

その他の配役は、ほぼダウントン・アビーの出演者で、演技もうまいことが逆に災いして「映画である」という印象が邪魔をして、内容になかなか入り込めなかった。邦題からは、どんな映画なのか分かりにくいが、ガーンジー島の複雑な歴史を背景としたヒストリカルラブロマンスといった内容である。ロケ地は美しくて大変良い。

ロマンスのほう中心に描かれていて、歴史はそれほど描かれていない。日本ではあまり馴染みのない読書会という文化も、島の歴史的背景も、おそらく原作では活かされているのだろうが、映画ではそうでもない。ストーリーに大きなひねりがあるわけでもないので、恋愛ものの普通の映画と考えたほうがいい。

原題は、The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Societyという素敵なタイトル。