〈第516回定期演奏会〉、2日目も終演です! 昨日と今日、ご来場まことにありがとうございました! 2時間20分に及んだ“ハインツ・ホリガーの世界”、いかがでしたでしょう? 写真にハッシュタグ( #名フィル516 #名フィル )を添えて、ぜひご感想を投稿してください! pic.twitter.com/QHsPkhY8pd
— 名古屋フィルハーモニー交響楽団 (@nagoyaphil) 2023年10月14日
10階の愛知県美術館で「安井仲治展」を見たあと、4階のコンサートホールへ。
過去のある日、モーツァルトのオーボエ協奏曲を動画サイトであれこれ聴き比べていたときに、ハインツ・ホリガー氏のオーボエに行き当たって、びっくりするぐらい上手だと思って聴いたのが出会いだった。
スイス生まれのオーボエ奏者、指揮者、作曲家でもある。
そのホリガーさんの演奏が聴けることを知ったのが今週の頭だった。慌ててチケットをオンラインで買った。
プログラムは、ラヴェルから始まる。
最後はドビュッシーの「海」である。
その間にオーボエとハープを中心とした小品が挟まれる。
それはそれは澄んだ音のオーケストラだった。とにかく、音が良くて、音そのものが本当にきれいで、身体を透明な山頂の空気や湧き水のなかにつけたような感覚だった。最後は海にどっぼーんだった。
最初の「クープランの墓」は、天国のさざなみのように、快く透き通っていて、それでいてカラフルだった。
中頃のオーボエとハープの現代音楽は退屈しちゃうんじゃないかと心配したが、ぜんぜんだった。オーボエの音は艷やかで、不穏なメロディを生き生きと踊るように奏でた。ハープと木管という草と水みたいな組み合わせを、甘いクリームのように聞かせるのだ。
最後の「海」も、わりと苦手だったのだが、今日聴いて、初めて海に圧倒された。音が、すごくいいのだ。音が重なり合って、本当に海に光がさして、波が返し、風と呼応する様子が浮かんでくるのだ。
オーケストラといっても、管楽器を中心に見たくてステージの後方の席にした。先月、トン・コープマンのときと同じ会場だ。そのとき音が小さめに聞こえたので、「あれ~、こんなに静かだったかな」と思ったが、今日は3階右袖でも大きい音だった。しかも管楽器が中心に見えて、指揮がこちら向きなのもいい。
というわけで、ホリガー氏のオーボエ演奏はもちろん、名フィルの管楽器陣もよかった。クラリネットがすばらしかった。フルートもとてもいい音だった。ホルンも、全部よかった。
それと、チェレスタ*1が出てきて、ハープと並んで高い音をかけあっていて楽しかった。
16時開演だったので、18時頃終わりを想定していたら、16時半だった。そんな長かったとは思えない。あっという間だった。
帰り道でも、帰宅してからも「きれいだったなあ」と呟いている。