考え中

まったく公共性のない備忘録

安井仲治展

愛知県美術館で、待ちに待った「安井仲治展」。

 

生誕120年 安井仲治 | 展覧会 | 愛知県美術館

 

生誕100年のころはまだこの写真家を知らなくて、展覧会に行くのは今回がはじめてだ。いつだったか、展覧会だかでアンリ・カルティエ=ブレッソンに興味を持ったときに、写真家つながりで安井仲治が検索などに出てきて、図書館で何冊も時間をかけて写真作品を見続けた。

いつか展覧会で見たいと思っていた。

 

↓図録も買えた。分厚い。

 

安井仲治は大正から昭和の戦前にかけてたくさん写真を撮って残しているが、夭折のアマチュア写真家である。

今日の展覧会は、安井仲治のスタイルの変遷をきめ細かく追いかけながら、ヨーロッパの影響などを垣間見れる大規模展だった。初期のスケッチ的な作品から、表現主義的な作品、反対にノイエザッハリヒカイト的な(匿名性の高いその辺の人やものを即物的に切り取っていく)作品、それよりもっと「なにかひきだそう」とするドキュメンタリー的な社会派作品、マン・レイなどの影響か、シュルレアリズム的な作品と、いろんな手法を試していることが分かる。

 

ちょっともどかしかったのは、私の視力で、暗めの照明のなか、白黒写真の小さいのや、ネガの展示を見るのは骨が折れたことだ。

記憶は間違っているのかもしれないが、名古屋市美術館の所蔵品として「秩序 Order」という作品を見たことがあって、もっと大きなサイズだったと思うのだ。今回のは小さかった。現像はいくつかあるのかもしれないが、サイズは大事なので、気になるところだ。

 

いずれにしても、可能ならいつか大きなサイズで「秩序」のギリギリなバランス感を見てみたいものだ。

 

このOrderという作品、トタンの切れ端を保管してある様子を撮影しているのだと思うが、トタンの自重と丸めたバランスとでうまく収まっている様子を「秩序」と名付けていて、しびれる作品なのである。

 

今日は重い図録を買ったので、図示できる↓

 

 

たっぷり1時間以上、丁寧に見たらもっとかかるかもしれない。

 

さらに、常設展で田中敦子を見つけて喜んだあと、エンルスト・バルラッハというドイツ表現主義の彫刻家の「忘我」という作品を発見。

artsandculture.google.com

 

↑ Google Arts& Cultureに写真があったけど、写真ではあの緊張感は伝わらないわね。エンルスト・バルラッハの作品はこれを含めて3点あった。どれも良かった。

 

 

今日は、安井仲治展のあと、同じ愛芸文の4階コンサートホールで名フィルの定演があるので、いったん休憩を入れた。

同ビルの地下のアートスペース一角にある喫茶コーナー、いつも前を通るけれど、入って注文したのは初めて。アートスペースの中にはプレイガイドがあるので人通りが多い。しかも、これから名フィルのコンサートなので、妙齢の団体がどんどん入ってきてコーヒーを注文している。

 

私は「コーヒーフロート」にしてみた。

一息ついて、コンサートへ。

 

 

なんて、いい日だ。

 

 

 

<追記> サイズは37×30ぐらいで、思ったより小さかった。

私の記憶のなかで大きくなっていったのだろうか。

jmapps.ne.jp