考え中

まったく公共性のない備忘録

コスチュームジュエリー展

愛知県美術館に巡回して来ている「コスチュームジュエリー:美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより」に行った。

 

そもそもの話として、「コスチュームジュエリー」という表現を知らなかったので、公式サイトで説明を読んでみた。

コスチュームジュエリー:美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより | 展覧会 | 愛知県美術館

 

 

分かったような、分からないような。

ポール・ポワレを知っていれば、脱コルセット時代のファッションという知識も手伝って少し理解は進むのだけれど、もう一歩踏み込んだ説明がほしい。

 

チケット情報サイトは、少し踏み込んでいる。

コスチュームジュエリーのチケット情報 - イープラス

 

20世紀初頭のヨーロッパのオートクチュールのデザイナーから始まり、需要が高まって職人が増え、その後アメリカで大量消費にも適応していくファッションジュエリーのことのようだ。それまでの貴金属、宝石など、高価で一部の人々のためのジュエリーが、より多くの層に普及していく一つの形だったのだろう。

 

実際に展覧会を見てみると、スカート丈が短くなり、動きやすくなった女性の衣服は、それまでに比べるとシンプルで、そこに装飾的なものを組み合わせることで完成するといった印象だった。洋服のデザイナーがジュエリーもデザインし、当時の人の生活様式に合うものだとしたら、仕事にも行けるし、ドレスコードがあるレストランや観劇などにも適した雰囲気を演出することもできるようにしたのかもしれない。

多くの展示物は首周りと耳の装飾をするジュエリーのセットになっていて洋服の胸元や顔周りの装飾を担う。それと、最近はあまり見かけなくなったが、「ブローチ」が多く展示されている。ブローチは服の一部のようだ。

 

愛知県の会場では、洋服も展示されているということで、確かにジュエリーだけ見るよち実際に装着した感じを想像するためにも服と一緒に見たほうが理解が進む。

 

エレガントに始まったコスチュームジュエリーも、アメリカに来て、さらにシュールレアリズムと融合したあたりでは、かなり美術的な方向へ突き抜けていた。展示物としては見応えがあった。

 

これまでジュエリーとコスチュームジュエリーを分けて考えたことがなかったし、自分の装飾品がコスチュームジュエリーなのか違うのか、それもよくわからない。今やコスチュームジュエリーは歴史として見れば良いのだろうか?

 

実生活を思い出してみると、普段使いと式典用などは少し異なる宝飾品を使う。幼少期、今とは異なる文化がまだ残っていた頃の母親世代なんかは、ブローチを常用していた時代があった。デザインはシャネルみたいなのではなく、ミキモトっていう感じの品だった。*1

 

このように「コスチュームジュエリー」という新たな概念を得て、その定義をつかみかけている段階である。

*1:いまブローチ(ピンバッジではなく)はあまり使わない印象だが、どうなんかな。そういえば、式典用のコサージュが、昨年はあまり売ってなくて、かわりに丸いブローチなんかを売っているのを見た。少しレトロな印象だった。もしかしたら再ブームになるのかもしれない。