考え中

まったく公共性のない備忘録

Kindle Paperwhite 5th

10年になるKindleをリサイクルすることにした。お別れ前に愛を語っておこう。

第5世代のキンドルペーパーホワイトは、日本で売り出した初代のキンドルで、2012年の10月後半から予約がはじまり、11月半ばに各ユーザーの届き始めた。

すでにamazon.comのアカウントで洋書をちょいちょい買っていた人たちが、「ついに」という感じで注文した。eインクというのも画期的に見えた。スマホと違って紙に印刷した字の感触で、目に優しく、しかも電気を多く使わずとも表示できる。バッテリーが軽いので夜寝る前に片手でも支えられる。ラバーの本体は黒く、よくデザインされているし手触りもやわらかで持ちやすい。画面には何パターンかの壁紙が自動的に出るようになっていて、おしゃれだ。

私も洋書のキンドル版をiPhoneで小さく読んでいたので、早くタブレットで読みたいと思っていたところのキンドル発売だった。eインクも、省電力も、端末の手頃な価格(7千円台)も良かった。暗闇で目に優しいモードにもなり、10分で自動的にオフになるので読みながら寝るには最適だ。

 

実際に使ってみると、ページ送りは少し遅く、画素も荒く、ページをあちこち見る読み方には不向きで、見開きPDFなどを読み込むには画面が小さすぎるなど、マルチな活躍をするものではなかったけれど、夜、就寝前のベッドで、小説の続きをほんの5ページぐらい読みながら(Kindleにページ概念はないけれど)眠りにつく習慣が6年ほど続いた。

だんだん充電頻度が上がり、少し放置すると充電がなくなっているということが多くなり、寝る前にスマホで動画を見る習慣も始まり、Kindleを使う日が減って、やがてまったく使わないままベッドサイドのテーブルの引き出しにしまいっぱなしになった。

 

今朝、取り出してみたら、ラバー仕様の本体が経年劣化で加水分解?してベタついてきている。少し充電して立ち上げてみたら、画面のほうは十分使えるけれど、処理は遅いしバッテリーも弱っている。

もう少し手元に置いておいても劣化するばかりだと判断して、amazonのサイトで純正機器のリサイクルシステムを知って、手順通りにKindleを初期化し(あっという間にできる)、リサイクル申請画面から申し込んだ。申し込みもあっという間で、確認画面をプリントアウトして梱包時に同封して、底に書かれているアマゾン指定のリサイクル会社にゆうパックで送るだけである。自宅回収でも自分で持ち込みでもいいと書いてあるが、軽いので郵便局に寄って出すことにした。

ベタついたことでくっついてしまうホコリを拭い、10年前の11月に送られてきた時のオリジナルの黒い箱を出してきて、懐かしい画面を裏返して、送られてきた時のように本体を箱におさめて梱包した。

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今この記録を書きながら、送られてきた時の興奮や、入手間もないころの活躍を思い出している。出張先から帰る電車をKindleで楽しみながら移動した思い出や、週末だけアルバイトで英語を教えていた生徒さんにトールキンホビットを読ませるためにKindleを持参して読み合わせをした思い出や、なんとか急いで読みたかった本を仕事の合間に何度もKindleを立ち上げては2日で読みきった思い出が蘇っている。