昨夜は豊田市の中心にあるコンサートホールで、牛田智大ピアノ・リサイタルがあった。気温3度の中、モーツアルト、シューマン、ショパンと楽しんだ。
急遽チケットを取ったのでバルコニー席になったが、その席が神席だった。このホールで座席選ぶとなって、1階席の後ろの方しか残っていなかったら、むしろ左側バルコニーの6番、7番辺りがいい。
この席、オルガンが近い。
プログラムはこんな感じ。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
ショパン:即興曲 第1番 変イ長調 Op.29
ショパン:即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36
ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
そう、かなり大きな山3つという選曲だった。
モーツアルトが始まると、1音も気を抜かずに演奏する緊張と、軽快な運びとで、張った糸の上を転がる露のようだった。
こんな曲を作ったモーツアルトには感謝しかない。
シューマンは、しらかわホール最終日に阪田知樹リサイタルでも演奏されたクライスレリアーナだった。これが今回のコンサートの中心にあるということだった。
モーツアルトと比べ、かなり厚めの音色で演奏していたので残響のコントロールが難しそうである。内省的で叙情的で、ある種のわかりにくさが特徴でもある。
牛田氏はホームページで、クライスレリアーナとベルリオーズの《幻想交響曲》との共通性を説いている。今年、初夏に幻想交響曲を聞きに行く予定なのでつながってうれしい。
ショパンでは一転して、完全に管理された美しい立体的な演奏が繰り広げられた。あまりにもきれいで拍手が鳴り止まないという状況だった。それを受けて、アンコール曲もたくさん。
ショパン:幻想曲 op.49
最後の幻想曲が始まると、「もうこれアンコールじゃなく本編じゃん」の世界だった。完成度が高く、聴く方も「そこは、そうこなくっちゃ」と感覚にばちっとハマる感じだし、おそらく弾いている御本人も楽しくなっちゃっていたんじゃなかろうか。
豊田市は美術館まではよく行くけれど、市街地には足を踏み入れたことがなかった。というのも、車を止めるところがなさそうという印象からだった。
ところが、ここはトヨタの街。車は無料でとめ放題だったことを昨日知った。とめ放題は言いすぎだけれど、ちょっとお買い物をすれば3時間無料になる。お買い物と映画など鑑賞もすると二重にスタンプがされて5時間無料という駐車場もある。駅前なのに。
そういうわけで、5時間無料の駐車場に止めて、T-faceで買い物したり夕飯を食べたりして、そのままコンサートホールへ行き、そこでまたスタンプを刻印して駐車に伴う悩みはなしとなった。
<追記>2024年7月8日
The Leeds International Piano Competition
5月に第1ラウンド通ったそうで、第2ラウンドは9月だ。
3月にリサイタルに行って、このリーズ国際(動画↓)が5月なので、このためにモーツァルトをあそこまで仕上げていたのかと。