考え中

まったく公共性のない備忘録

他社のパッキンで復活

その昔、いつ頃だったか忘れてしまったが(ふた昔ぐらいか)、直火でエスプレッソを作る、マキネッタと呼ばれる器具を買った。イタリア製の手頃なアルミ製品である。

下の方に水を淹れる器部分、真ん中当たりに継ぎ目、そこにコーヒーの粉を入れて火にかけると、沸騰して上の部分にエスプレッソが噴き上がってきて溜まる、あれである。

 

しばらく使っていなかった理由は、ここに越してくる前に住んでいた家ではIHだったから直火がなかったからである。その家に越す前に買って、引っ越し直前まで頻繁に使っていたので、10年前まではよく使っていたと言える。

 

さて、今の住まいではガスコンロがあるのでエスプレッソを直火で作ることができることに気がついたのが去年である。作ってみたら上手にできるし、いい気分転換にもなる。今年も何度か作って楽しんだ。

 

しかし今月に入ってから、下部と上部をつなぐ部分からコーヒーが漏れるようになった。継ぎ目のところにはパッキンがはいっていてガシッと閉められるようになっている。そのパッキンがカチカチになって柔軟性をすっかり失っているのだ。

 

さて、パッキンだけ替えるのか、そもそもパッキンは売っているのか、いっそ買い直しが妥当なのか、いろいろ調べることになった。

 

まずは、その器具を作っているメーカーを調べなければならない。ネットで見かけるのは大半がBIALETTIというメーカーのものであるが、うちの器具には、あきらかにBIALETTIのロゴはついていない。

 

底を裏返して、老眼の目を凝らして見ると、ロゴとMade in Italyの文字だけが見える。さらに翌日、取っ手(黒)に浮き彫りのロゴがあって、底のロゴと同じデザインである。初めて取っ手をじっくり見た。

さらに検証するとそのロゴが文字で構成されていることに気づいた。デザインされすぎていて解読がたいへんだったが、PEZZETTIと読める。

 

検索すると「ペゼッティ」というイタリアのメーカーが出てきた。これだ。

しかし、交換部品どころか本体すら入手困難である。

なんとか、同じサイズのパッキンさえあればいいわけだが、ドーナツ型で厚みもあるので、ぴったりのを探すのは難しそうだ。

 

同じように悩んで自作のパッキンを作った人も見つけた。そこまでの熱意は私にはない。むしろ、本体ごと「寿命」と言って処分する方へ気持ちが傾いている。

 

さらに検索すると、あるSNS投稿で、BIALETTIのパッキンがサイズぴったりだったと言って写真も載せている人を見つけた。さっそく定規で測って製品サイズを確認したら、BIALETTIの3~4人用サイズのマキネッタ用の6.5センチぐらいのパッキンが、うちのパッキンサイズとほぼ同じであることを突き止めた。

 

以上のような数日間の情報検索と分析と推理をもとに注文したBIALETTIのパッキンが届いた。さっそくうちの中古PEZZETTIに装着してみた。

 

ぴったりである。

 

実際にエスプレッソを抽出してみないことには成功とは言えない!ということで、さっそく抽出したら、染み出すことも漏れ出すこともなく、すべて抽出できた。

 

もうしばらく、このPEZZETTIとやらを使うことになりそうだ。