考え中

まったく公共性のない備忘録

再開発と時代

 

この地域の市内商業地区に、多摩大沢の三井アウトレットパークみたいな遊歩道を兼ねた商業施設群が現れた。

 

三井系の開発で、ららぽーとやアウトレットにもありそうなCOACHやRalph Lauren、その他海外ブランドの店舗と、国際性を意識した飲食店、中央には川を模した浅い水場が直線に流れる。極めて現代的なコンセプトの都心広場である。

一帯はもともと、市と姉妹提携している都市の名前を冠した「広場」が4つ連なる一帯だった。地下にはセントラールパーク地下街が久屋大通まで続く。桜通り、錦通と大通りを串刺しにした中央分離帯的な部分で、テレビ塔が象徴的に建っていた。

 

並木道や細い川のようなもの、噴水、LAの縮小風景など、70年代、80年代ぐらいまで市民の憩いの場として機能していた場所である。鳩の糞が多いとか地下街の方が涼しいとか暖かいとか、お金をかけた割に使い勝手が悪いとか、植栽のメンテがされていないとか、少しネガティブな評価も常にあったが、それなりの役割は果たしたと思う。

その時代はついに終わり、コロナ前ぐらいから再開発の計画が出始めて、昨年部分的に完成した。

地下街からいくつもの出入り口を使って外に出ることができるので、アクセスもよい。オアシス21(市バスや高速バス乗り場、商業施設、コンサートホール、県立美術館、空中庭園が層になっている公営施設)へのアクセスもよい。

 

9月に入って暑さも和らぎ、夕方にはけっこうたくさんの人が集まってきていた。ほとんどが、観光客である。

そういえば、ブランドショップの入口には免税の張り紙などがある。飲食店はアメリカ、イギリス、中国、タイ、京都など、そういわれてみると外向け日本というプレゼンテーションの様相である。MIRAIタワーがその目玉で展望台に入っていく人たちがけっこういる。タワーの足元にもイギリス風のパブがある。

 

季節は選ぶかもしれないが、夕涼みの時間には、ベンチも多くてくつろぐこともできる。夜景も意識して開発しているということで、水面に映る両脇の店舗の電灯の影が確かに目に嬉しい。