展覧会は4つのテーマごとの構成になっていて、最初はモリス商会関連の展示である。初期の壁紙に始まり、暖簾的なテキスタイル、そしてモリスが晩年に熱中していた書籍のデザインなどがある。書籍のフォントデザインなんかはじっくり見てしまう。ウサギ兄さん(Br'er Rabbit, 子どもたちが気に入っていたアメリカの絵本だかのウサギをデザインしたという)も魅力的だった。
次に、モリスの後継者や展覧会協会の働きなどが分かる展示になる。テキスタイルはもちろん、デザインが単純化されて布や紙以外の素材にもデザインされるうようになる。家具やタイル、タペストリーなど、デザインがいろいろなものに適用されるようになる。
ついにイギリスではアーツ・アンド・クラフツ運動が大きなうねりを経て産業として定着していく。リバティなどメーカーも発展し、多くの人が買えるようになった。展示はリバティのデザインやインテリア、照明器具、食器など広がりが分かるものになっていた。
最後は少し離れた展示室に、アメリカでのアーツ・アンド・クラフツ運動の受容が展示されている。ティファニー、フランク・ロイド・ライトなどである。宝飾品も展示されていて、アーツ・アンド・クラフツというよりアール・ヌーボーも含め世界のデザインが動いていった時期という印象で見た。
愛知県陶磁美術館といえば、推しの狛犬もいる。今日もやっぱり麗しかった。