考え中

まったく公共性のない備忘録

世界サブカルチャー史 欲望の系譜3

日本の戦後、今週は5回目だった。70年代②ということで、ゴジラ対ヘドラに映し出される公害問題から、全共闘日航機とかのあとの「しらけ」の時代というあたりから始まり、「神田川」や「結婚しようよ」のような庶民の個人的な幸せを歌うフォークソングの時代へと流れていく。受験戦争、学歴社会と、徐々に混沌なき社会の、その一員として貧乏から経済的ゆとりへという時代に入る。

 

荒井由実のブレークは、ニューミュージックの時代を切り開く。都会の憧れの生活、都市と地方の分断の時代になる。そんな時代は、田中角栄の「日本列島改造」に大きな期待を寄せた。土建の時代、中国との国交正常化、パンダの来日、好調な経済、戦後の絶頂期のようだった。

 

しかし、サラリーマンと呼ばれた人々は、深作の「仁義なき戦い」を自分たちの実社会を映し出したものとして歓迎した。日本社会の不満は、戦後民主主義への不満として描かれていた。社会構造の変化を予感させた。海底火山噴火や水害が増えて地震の研究も進み、ノストラダムスの大予言ユリ・ゲラー来日などでオカルトブームが始まる。

不安は「日本沈没」で描かれた。小松左京は日本人が国土を失ったら、そのアイデンティティーはどう現れるかという疑問をぶつけた。

 

幼少から小学校時代の私が知っている歌や映画を、こうして時代の経過の中で再評価できる機会になる番組で、ありがたく視聴している。