4丁目には病院や兵舎、工場などがある。
中でも宇治山田郵便局舎は優雅で頼もしい。
<(46)宇治山田郵便局舎>4丁目
明治43(1908)年完成。
明治期に郵便制度が日本に持ち込まれ、「郵便」という新語もできて、町中にイギリス風のポストなんかができはじめた。東京なら分かるが、なぜ三重県にこんな凝った細工の豪奢な郵便局舎ができたのか。
宇治山田と言えば伊勢神宮(外宮)に行くときの最寄り駅である。明治時代の宇治山田市は、伊勢神宮の門前町としてかなり繁栄していたから、きっと現代のイメージよりも重要な地域だったのだろう。
なんと、玄関ホールが丸いドームになっている。
外壁は木で、金属素材の屋根が光る。明りや風取り込みのための窓が天井近くに見えている。近寄ると、白い部分が漆喰で、レリーフも施されている。
ホールに踏み入れて、高い天井を見ると、乳白色の天井の中央からシャンデリアが下がる、おしゃれな作りになっている。
円柱の壁には木の板が縦に張り巡らされている。
ホールの円形に合わせて、丸く取り囲むカウンター。
切手を買いたくなる。
向こう側の天井は低めで(この建物、平屋なのだ)板の天井の中央にひし形のデザインがある。
こんなモダンな建物が宇治山田にね。