考え中

まったく公共性のない備忘録

鳩サブレー

鎌倉に行ったわけではないが、東京駅で鳩サブレーが買えた。東京駅のどこを通るかによって買えるお土産には違いがある。たいていは早く新幹線に乗りたいという時間帯なので、比較的入手しやすく、かつ、愛らしい形が喜ばれる「ひよこ」を買う傾向にあった。

今回は、偶然豊島屋さんの前を通った。

 

豊島屋の鳩サブレーには、<誇り高きお菓子>という印象を持っている。

鳩サブレーはバター(国産)を使って焼いている。この「バター」が鳩サブレーの誠実さへの信頼となるポイントである。ちなみに材料はシンプルで、余計なものは入っていない。

それと、豊島屋さんは言葉遣いが丁寧である。独特の上品な言い回しで商品を説明している。たぶん、この言葉遣いを「ブランド」の一部と考えている(と思う)。店員さんの言葉遣いも「教育を受けている」あるいは本当に言葉遣いに吟侍をもって接客しているのかもしれない。

加えて、豊島屋はデザインに妥協がない。鳩サブレーの形が愛らしいというだけではない。パッケージデザインも、グッズのデザインも、すべて愛らしく、無駄がなく、余計な形や色が入っていない。精鋭を雇用して練りに練っているはずだが、その努力を見せない。

 

我々消費者は、鳩サブレーの鉄壁のストイックさに心の安全を守られながらも、時折「疲れないだろうか?」と思いやるときがある。しかし鳩サブレーは首を前後にしたり目をクルクルさせたりもせず、こんがりと静かである。